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最高裁判所大法廷 昭和25年(あ)19号 判決 1950年11月22日

主文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

弁護人中野義定の上告趣意第一点について。

所論は、第一審裁判所の裁量に属する量刑を不当であると非難するに過ぎないものであるから、明らかに刑訴四〇五条に当らないし、また、本件で同四一一条を適用すべきものとも認められない。

同第二点について。

食糧管理法制定の目的は、公共の福祉すなわち国民全般の食生活その他一切の経済生活を安定確保するにあって、同法九条、一〇条において食糧管理法の基本方針を実施するための第二次手段として政府において特に必要ありと認めるときは勅令(政令)の定めるところにより、主要食糧の配給、加工、製造、譲渡又は移動若しくは価格その他同法条で特定限定した事項に関し必要な命令を為し個人の行動の自由を一般的に制限又は禁止することを得るものとしたものであることは当大法廷の判例とするところである(昭和二三年(れ)第二八一号同二五年二月一日大法廷判決判例集四巻二号八九頁以下参照)。されば、主要食糧の移動を制限又は禁止することを認めた同法九条の規定は、公共の福祉を維持するために設けられたもので憲法二九条に反しない。それ故、所論は、採ることができない。

よって、刑訴四〇八条、一八一条一項に従い裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 塚崎直義 裁判官 長谷川太一郎 裁判官 沢田竹治郎 裁判官 霜山精一 裁判官 井上登 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 島 保 裁判官 齋藤悠輔 裁判官 藤田八郎 裁判官 岩松三郎 裁判官 河村又介)

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